春雨・洞谷林道から地蔵杉と洞峠2010年04月03日


■目的地:地蔵杉(898.9m)・洞峠(Ca660m)   <山域:丹波 南丹市美山町>
■日にち:2010年4月3日(土) 
■天気:雨のち晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  洞谷林道316m地点 発(11:20)~洞峠登り口(11:45)~地蔵杉道標(11:53)~林道終点(12:07)~支尾根にのる(13:03)~
  地蔵杉(13:35-13:48)~775m鞍部(14:03)~Ca880mP(14:20)~Ca750m(14:35-14:40)~Ca730m鞍部(14:50)~
  723mP(15:05)~洞峠(15:15)~滝のお地蔵さん(15:35)~洞峠登り口(15:55)~洞谷林道316m地点 着(16:20)


 だんだんと暖かくなってきたが、三月末に雪が降った。まだ雪の残る尾根を歩けるかもしれない。
前々からねらっていた地蔵杉に行こうか。初めてこの山に向かったのも、同じように春の雪が降った後の週末だった。
天気予報は、午前中雨、午後から回復。
 いつものアクセスで神楽坂トンネルを抜けて美山町に入り、豊郷から洞谷へ。
能勢では嬉しくなるような青空が、園部に来ると曇ってきて、四ッ谷で小雨となる。美山町でもぱらぱら降り続ける。

 神谷口のバス停を過ぎた橋の袂に洞峠の解説板がある。ちょうど西へ林道が分かれるので、この道かと間違いそうになるが、
さらに奥に入った橋の民家の間に洞谷林道の入り口はある。ふつうの里の道なので、地図での確認は欠かせない。
 洞谷川に沿って遡ってすぐ、最奥民家の下で鎖が張ってあった。もう少し林道を利用させてもらうつもりだったが、
車を戻して邪魔にならない広めの路側に駐車。まだ、小雨が降っている。尾根には雲がわく。
回復基調なので急がずに準備する。カッパを着る。
 林道は植林の間を抜けて谷の脇を行く。雨水で増水した川は轟々と音を立てる。ガードレールのない道から谷は深い。 未舗装でもあり、車で入るのは及び腰となったかも知れない。山側は苔の間から水が幾筋もの糸を引くように落ちていく。  ヤマルリソウやメコノメソウが咲き、雨でしぼむトクワカソウもいくつかあってなかなか楽しめる。 谷の向かいには森の合間を縫って滝ができている。落差は30mほどか。なかなか立派だ。  ヘアピンカーブで洞峠の道標が植林尾根の方を指している。さらに林道を歩くと沢が間近で流れるようになる。 地蔵杉の道標が沢の対岸を指すが踏み跡不明瞭。かなり急なヤブっぽい登りのようなので、雨の中でも楽な林道を選ぶ。
 斜面の濡れた落ち葉が瑞々しい。ほとんど車が入らないのだろう、道の中に幼木が茂る所もある。 林道終点に着いた。短い植林の中に踏み跡が延びている。平坦な植林を抜けるといよいよ沢の傍を歩く。 この時でも、ここを詰めれば775m鞍部に着くだろうと思っていた。炭焼き窯跡がある。
 前方でひときわ大きく轟音がとどろく。かなり標高を稼いだ気になっていたのに、沢の先には20mほどの滝が落ちている。 まだまだ登らないといけないということだろう。それにしてもこんな滝は登れないので、左の支流の方へ採る。 ちょうど支尾根が降りてきており、いくらか木も生えているので登ることができると見る。 荷物はリュックに入れ、両手両足を使っての登りが続く。鹿の通った跡が残っているところもある。
 イワカガミが多くなってきた。まだ葉だけだが、踏まないように登るのは苦労する。体を支えるためにどうしても踏まないと いけない険しいところもあった。捕まった木が枯れていたら滑落の危険もある。とてもふつうのルートに使えるものではない。 降りるのは無理なので登るしかない。時々日が射してくるが緊張が続く。  やっと支尾根に乗ったときはホッとした。しかし、今自分がどこにいるか地図で特定しないといけない。 倒木もある尾根を伝っていくとわずかに雪が残る斜面が見えてきた。大きな杉の木やトチの木も点在する。山深さを感じる。
 ブナの落ち葉で覆われた斜面を登るとやっと地蔵杉の主稜線にのった。初めての赤テープに安堵。 ここから南の地蔵杉まではゆったりした冬枯れ尾根が続く。私にとっては天国のようだが天気は良くない。  前方で、バタバタバタと羽音をたててキジが逃げていった。山頂も立木で囲まれているが、葉がないので展望が利く。 はずだが、雨雲が残っているので遠くまでは無理。地蔵杉、やっとたどり着くことができた。 前回の西尾根撤退といい、今日の急な支尾根登りといい、なかなか手強い。
 少し寒いが、記念なので昼食の時間をとる。雪が降ってくるときもあった。 ゆっくりしたいところだが、もう14時近い。安全に降りるには洞峠が確実だろう。尾根づたいで1時間半はかかる。 焦らずあわてず尾根歩きを楽しんでいこう。
 ブナの落ち葉でフワフワの尾根が続いて、775m鞍部に降りる。日差しが指す。登り返しはゆっくり着実に高度を稼ぐ。 Ca880mPはのっぺりしたピークである。洞峠を指す道標がある。北寄りに辿って広い下りさしかかる所も道標があった。 ここはいつの間にか尾根が分かれるので下りは慎重に地図と方角を見ながら行く。二回ほど間違えそうになった。 たまに赤テープがあるが、踏み跡が薄くなって見失いがちだ。  次のCa750m平坦尾根では陽が射してきた。腰掛けるのに丁度いい岩があったので、ジュースでひと息つくことにする。 静かだ。
 微かな鞍部を登り返して尾根が90度北西に曲がるまでは馬酔木が多い。谷に再び日が射して暖かくなった。また静か。 市町界が合わさる次のCa730mPは中津灰へ続く北西尾根との分岐。洞峠道標と赤テープが二段に巻いてある。 植林や低木でヤブっぽくなってくる。気配を感じてすぐ前方からご夫婦が歩いてきた。こんな時間にこんな所で人に会うとは。 聞くと仏生から天狗畑をピストンして帰るところだという。強者である。一緒に歩ける奥さんもすごいなと感心した。  いよいよヤブぽっくなるが、立ち木ごしに天狗畑が大きく立ちはだかる。細かいアップダウンに踏み跡が見え隠れするが、 赤いテープや布切れが微妙なルートを導いてくれる。植林脇を下ると洞峠に着いた。交流会参加者の名前が記された立て札が いくつか立っている。60名余り。同じ氏名もあるので、家族や親戚でという方もあるようだ。毎年9月20日過ぎに行われている。
 さて、峠に着いたので後は林道まで。交流会で人の行き来も多い道だろうから、もう下ったような気分になる。 植林はスギゴケの親分のようなものがはびこる林床の中を下りていく。沢ができてゆったりと流れている。  岩陰にお地蔵さんが鎮座する沢の合流点が、険しい谷の始まりとなった。標高570m辺り。さっきまでのゆるい道は一変して、 10m以上は落差のある岩の谷間になる。斜面についた山道には、雪で落ちてきた土石や落ち葉でほとんど埋まっているので 斜面の一部になりかけている。気を抜いたらずるずると谷間に落ちてしまいそうだ。
 想定外の難所を抜けると再び植林、急斜面を水平に巻く道が続く。歩いてきた方に洞峠を指す道標が現れ、巻き道から 右下の斜面に踏み跡が下りている。この道標を見逃したらそのまま植林に入り込んで途方に暮れたかも知れない。 そういう意味では、なかなかスリルのある歩きでもある。ジグザグと長いつづら折れが下りていく。この登りはつらかろう。 交流会も大変だなと感じた。  行きに見た洞峠道標を過ぎて洞谷林道に合流する。陽が出てきたためか、往きには見なかったタチツボスミレやキンキ マメザクラなどの花。相変わらず轟々と響く水音。心地よい脱力感を引き連れて車に着く。 振り返った谷間には西日が光り、道脇の土手には、紅いショウジョウバカマがぽつりと花開いていた。


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2010.5.9. BY M.KANE
 
 

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