黄葉の比良・伊藤新道から巡視道と白滝谷2019年11月03日



■目的地:白滝山(1022m)・長池 <山域:比良・滋賀県大津市>
■日にち:2019年11月3日(日)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  坊村発(7:50)~明王谷林道~伊藤新道出合Ca420m(8:35)~ワサビ大滝(9:10)~
  白滝山(10:25-10:40)~オトワ池~長池(11:10-11:30)~巡視道~汁谷出合(13:00)~
  夫婦滝付近(13:35)~牛コバ(15:10)~坊村着(15:55)

 山に行けるのが今日になってしまった。昨日の秋晴れから変わって曇り予報です。
雨はないようなので出かけます。自宅を出るころはまだ薄暗い。
坊村に着くと駐車場は既に半分程うまっています。気温8℃。

 明王谷林道の始まり、靄がかかって良い感じです。

 谷に朝日が射してきました。

 あの山に登っていくのかなぁ。

 ここから林道を離れて伊藤新道に取り付きます。

 谷を詰める。ひんやりしていますが体は登りでほてって丁度良い。

 ワサビ大滝。

 ワサビ天井滝のそばをかすめた後は植林の登りが続きます。

 ほどなく黄葉があらわれてきます。歩き始めて2時間近くかかりました。

 さらに登るとゆったりとした尾根になり、冒頭の景色。踏み跡は落ち葉で消えかかっている所もあります。

 素朴な山名板。背景は烏谷山から摺鉢山(1006mP)の稜線です。調子が良ければ予定のコースですが遠く感じます。

 少し南東に歩くと見晴らしの良い所があり、武奈ヶ岳方面を眺めておにぎり休憩。

 山名板に戻らずそのまま南西へ下ってしまいました。良い感じの林です。

 オトワ池に行く道を外していますが、こんな雰囲気に囲まれてはたまりません。2.5万地図と磁石で方角を西に修正。

 まだまだ良い感じ。オトワ池はどうでもよくなったりします。

 なかなか着かないので少しあせりつつも、森の雰囲気に転がされながら辿り着く。この辺りは複雑な地形です。

 静かで長居したくなる良い所ですが、長池まではいってみようと歩を進めます。
ゆったりしたコブがたゆとう中に小さな湿地や池が点在します。画像の右外がスギヤ池の方向。

 さらに南下します。
この斜面の右上を越えると長池が現れます。ゆらゆらと地形と黄葉に翻弄されながらの歩きです。

 草紅葉の長池。オトワ池からずっと野鳥の声が多く聞こえます。

 池の斜面の黄葉もすばらしい。ここでぶらぶらしようかなぁ。黄葉にあてられて予定時間を過ぎてきました。

 ゆらゆらと外輪小尾根を歩いていたら鉄塔下で突然視界が開けた。安曇川の谷の向こうに北山がうねる。
中央奥が峰床山あたりかなぁ。

 鉄塔は「ビワコバレイ線」8番。高圧線の一方は南東に延びて黄葉の森に消える。うぅんあっちも良い感じ。
山奥の未知の世界になるが、誘惑に負けてしまいます。

 シダが両脇に茂る巡視道を南東に取ると長池の全景が見えました。

 薄い踏み跡やプラ階段をたどると途中にはこんな湿地もあります。絵に描いたような景色です。

 落ち葉で踏み跡不鮮明な所はテープがついていて助かります。

 巡視道は支尾根を登ったり下りたりする道です。向かいの支尾根の黄葉がこんな風に広がって見える所もあります。

 鉄塔11番から10番を振り返ります。高圧線に触れないようにするためか、切られた木があります。

 支尾根の間の小さな谷も良い雰囲気が続きます。
鉄塔12番と13番の間の2つ目の谷、オオカメ谷です。いいわぁぁ。

 鉄塔13番を少し過ぎた所から森山岳(1080mP)と思われる方を望むと、上の方は冬枯れの様子です。
鉄塔そばから直登するような薄い踏み跡があったように見えました。

 鉄塔13番の尾根を下りると大きな沢を渉ります。ジャガ谷でしょうか小広い河原がありました。

 ジャガ谷から支尾根を登って鉄塔14番。ここで下の方から鈴の音。歩き慣れたような単独。
鹿の糞を探して調査をしているとのこと、向こうも人がいたので驚いたそうです。
鉄塔を過ぎると打見山の施設が間近に見えます。

 汁谷へはザレた斜面を下りますが、この時点で右膝に違和感がありました。5時間ほど歩き続けているので
そろそろ限界かなぁ。黄葉に浮かれて限界のあることをすっかり忘れていました。足は自然と木戸峠へではなく
汁谷を下っていました。今までの巡視道と変わって電柱や小屋など人工物が多い道です。

 この木橋こは、上の「イワナ橋」と同じような石標があり、「乙女橋」とのことです。この先は人工物がほとんどなくなります。

 良い雰囲気のゆるい谷歩きです。「大神橋」の石標がありますが、木橋は朽ちて流されかけていました。
トラロープが渡してあり、渡渉は問題ありません。

 ゆるい谷歩きが続きますが、少しへつり気味の所もあります。「白髭ノ淵」という石標がありました。
これが混乱の始まりです。エアリアマップでは夫婦滝の下流に記載されています。もうそんなに来たかなぁ。

「夫婦ヶ淵」「炭焼跡」と続いて、ここは「彼岸橋」。トラロープで渡渉です。あとで反省してみるとこの辺が
オトワ池をニシヤ谷で下った夫婦滝の辺りではなかったかと思います。めくるめく沢の黄葉に現在地を
見失っていました。下りるだけと気を抜いて地図も確認しなくなっていました。

 「彼岸橋」の渡渉の後になぜか踏み跡は沢をはずれて登りになった。およよ、もう谷道は終わりかな、
牛コバが近いのかなと混乱しながら、しかも右膝違和感がかすかに続くも、意外と落ち着いて道を辿ります。
この道もあとで反省すると、地図にはちゃんと巻道の部分がありました。この巻道は結構、膝に来ました。

 巻道から支流の谷を下ると、「白髭渕」の道標。伊藤新道取り付き以来のまともな道標です。

 白滝谷はゴウゴウと流れています。すごい音です。

 谷の巻道はこんなに朽ちた木橋や倒木でふさがれた道を上に巻くような所もあり、判断を間違うと
谷に落ちるかもという所もありました。まだまだ落ち着いて歩いていました。右膝はずっとかばい続けていてます。

 途中にはすごい滝もありましたが、遠目に眺めるのみで立ち寄る元気はありません。

 苔で覆われた大きな岩の間を歩きます。

 その後もトラロープのきわどい渡渉を2つほどクリアして下ると、林道終点のような広場に出る。
牛コバの上部のようです。無事に辿り着きました。なかなかハードな谷だったなぁ。

 あとは長い林道をゆらりゆらりと下りていきます。
休日で渋滞しそうな湖西道路を敬遠して久しぶりに京北経由で帰宅。
 いやぁぁ、すごい一日でした。オトワ池から巡視道の夢のような黄葉、
汁谷から白滝谷のスリルと轟音、帰ってからも興奮してなかなか寝付けませんでした。

黄葉の比良・オトワ池から森山岳と比良岳2019年11月06日



■目的地:森山岳(1080m)・比良岳(1051m) <山域:比良・滋賀県大津市>
■日にち:2019年11月6日(水)
■天気:晴れ
■同行者:単独
■コースタイム:
  坊村発(7:30)~明王谷林道Ca370m~北山695m(8:35)~オトワ池(9:55-10:15)~
  長池(10:25-10:35)~Ca1035mP(11:10-11:15)~森山岳(11:35-11:45)~木戸峠(12:25)~
  比良岳(12:50-13:05)~烏谷山(13:30)~摺鉢山(13:50)~牛コバ(14:45)~坊村着(15:25)

 3日前に続いて、今度は晴天の日、山上の池や小尾根へ遊びに行きました。
前回と同じルートではなくワサビ谷の西尾根を登ります。明王谷林道は早めに外れて
尾根に取り付き北山695mを経由してオトワ池へ。そして森山岳へは巡視道西側の稜線を辿る。
その先は体力相談の上で、前回行けなかった木戸峠から比良岳と烏谷山を周回して戻る計画。
前半の木戸峠までは道標もなく地図読みが試されます。主要な地形図を印刷して向かいます。

 明王谷林道に入って2つ目のカーブを過ぎたCa370m、細い作業道が分かれている。
ここから尾根に取り付きます。画像は作業道から明王林道を見下ろしたもの。

 作業道は谷に突き当たって途切れ、逆方向につづら折れ気味に上ってすぐに終点。
植林の中、獣道か作業の踏み跡か定かでない所を登っていきます。急登です。

 時々残置テープがあり、さほど迷うことなく約1時間で植林の平坦な695mピークに到着。
「北山」という小さな山名板がひとつありました。

 さらに南下して鞍部を登り返しCa715mのコブにのります。ここから先も登るだけですが、
地形は小さな二重稜線のようになったり支尾根が出たりで迷いやすく、下りは難しそうです。
標高が上がると植林の中に杉などの古木が点在していました。

 急登にあえぐこと2時間ほどで明るくなった黄葉が目に入り、植林から解放される。Ca970m辺り。

 白滝山から西へ舌のように曲がって延びた尾根の方に惹かれて登っていきます。

 小さな外輪山のような地形です。山頂に近づいてくると南が開けて、森山岳や蓬莱山の山影まで黄葉の
林が続いています。しばらくすると山頂からオトワ池へ向かう踏み跡とテープがありました

 青空を映すオトワ池。静かです。

 池をひと周りしてみました。白滝山山頂方面がのぞいています。

 長池へ向かいます。相変わらずの落ち葉のうねりを上り下りする快適な歩きです。

 長池も晴天の下では違った彩り。

 鉄塔9を過ぎて鞍部を登り返したCa970mPから巡視道を南へ外れCa985mPへ向かいます。
ここからは地形図を確認しながら、さらに南の鞍部を登り返してCa990mコブから尾根づたいにCa1035mPを目指す。
途中で白滝山ののっぺりした山頂部が見られました。

 葉が落ちた尾根は周りの地形が見えやすくて助かります。

 いたる所に彩りが現れては過ぎ、現れては過ぎていく。

 落ち葉の尾根、黄葉の山なみがうねうねと続きます。

 まもなくCa1035mP、青空が広がる。

 武奈ヶ岳方面が展望できます。そして南にはいよいよ森山岳が間近になってきました。

 Ca1035mPでおにぎり休憩の後、南の鞍部の先のCa1050mのコブから南へ細る尾根にのる。
葉を落とした樹間から周囲の山並みがよく見えます。

 地形図のとおり、尾根は南に向かって徐々に下っていきます。

 尾根の突き当たりは小さな谷に向かいます。ここの最低鞍部には、西の安曇川の谷へ下りる古道のような
様子も見られます。今までの落ち葉からシダや草が繁茂してきました。

 南の森山岳山頂へは、小さな谷の斜面に踏み跡が続いていますが、すぐにシダに覆われました。

 谷の上には大きなヌタ場があり、その東すぐに山名板です。のっぺりしてどこがピークか分かりにくい。

 森山岳山頂の近くに展望地があるということだったので、北東尾根へ向かってみる。
蓬莱山、打見山の山影を楽しみつつ歩くと...

 すかっと比良岳から武奈ヶ岳が現れる (冒頭の画像)。 さらに武奈ヶ岳の少し西寄りには台形状の白滝山や
歩いてきた尾根が広がります。東には琵琶湖も青い。快晴の展望にしばし見入ってしまいました。

 眺めを堪能した後は木戸峠へ。
巡視道上の13番鉄塔が北東尾根を下った先あるのですが、ショートカットしようと真東の方へ下りました。
これが混乱の始まり。青空の快適尾根から谷に下りたちますが、これをジャガ谷と勘違いしてしまいます。
後で反省すると、ジャガ谷上流の支流でした。Ca990m辺りと思います。

 木戸峠はまだ東だなとの認識はあるので、尾根を登ってさらに東の谷に下ります。この谷の上流側にある小屋が
スキー施設のある汁谷かなと混乱を上塗りします。実はここがジャガ谷の本流で、滝平といわれる所でした。

 木戸峠はまだ東のはずだろうと、緩やかな沢を渡渉してトラバース気味に尾根を登ります。
振り返ると辿ってきた尾根がきれいですが、現在位置が定かでないので気が気ではありません。

 すると電柱が出てきて乗り越えたその下が広場のようになっていました。
広場に降り立つと、ここが汁谷と判明。谷をひとつ取り違えていたことに気づきます。
この後は今までとは正反対、あちこちに道標があります。そんなこんなでやっと木戸峠にたどり着きました。

 足の調子は問題ないので、比良岳へ挑戦します。しばらくはほぼ平坦な歩きやすい道。
今までの地図読みや混乱の歩きは何だったんだという感じです。

 やがてゆるい谷のようになる所を登ります。その途中で黄葉のきれいな林が誘います。
森山岳までの道のない所を歩いてきた勢いなのか、ついつい逸れてしまった。

 比良岳の南側のゆるやかな尾根を登っていくつもりです。踏み跡も定かでないササの尾根。

 山頂手前で西の方を見れば、歩いた森山岳の尾根がほわほわとした感じでたたずんでいました。

 「比良岳」の山名板を確認して、周りの山並みを眺めつつのっぺりした尾根を東へ向かいます。

 正規の縦走路に合流。ここも「比良岳」と標されている。ひといきついていると単独が通り過ぎました。

 少し平坦で脇にぐねぐねの木がある所を過ぎると、大岩のある展望地。ここで休むのが正解だったなぁ。
目前の烏谷山、その左に武奈ヶ岳、右には真っ青の琵琶湖、いずれも絶景です。

 葛川越への下りはじめ、前方には烏谷山がそびえます。標高差100m以上のアップダウンはもったいない。

 良い雰囲気です。去りがたし。

 さていよいよ最後の登り、振り返ると琵琶湖へ落ちる尾根が冬枯れモードにふわふわとしています。

 急なザレた登りの後、少し平坦気味となり足にありがたい。烏谷山はまだまだです。

 南へ振り返ると比良岳の大きな影の後ろに蓬莱山や森山岳が霞んで見える。

 再び急登を一歩一歩登って、やっと辿り着いた烏谷山。三角点の先には堂満岳や釈迦岳があります。
13寺半、まずまずの時間です。しばし展望を楽しみます。

 さて、いよいよ下山モード。北西へ摺鉢山を目指します。
しばらくは徐々に下りながら周囲の山並みを眺める快適歩きが続きます。

 武奈ヶ岳が間近に見えるようになりました。

 途中で左に薄暗い杉林があり、その後再び自然林。
気づかずに通り過ぎてしまいそうなコブに「スリバチ山」の山名板がありました。

 烏谷山を振り返って名残を惜しむ。

 ここからは下りが本格的になる。薄い踏み跡を慎重にひろっていきます。

 下の方はまだ葉が青い。もう周りの山影は分かりにくくなりました。

 奥の深谷の巻道にそろそろ合流するかという頃、斜面は一段と険しくなり踏み跡を見逃す。
木々に捉まりながら下りると轟々とした水音が近くなって巻道合流。さらに幾重もつづら折れを下って牛コバ着。

 あとはこの前と同じ林道をゆらりと下りていく。足はまだ快調です。
一日中快晴でいい山になりました。

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